《田中本家》

 初代新八は、35歳で穀物や菜種油、たばこ、綿、酒造などの商売をはじめ、その後、須坂藩御用達商人となり、田中家の基礎を築いた。2代目新十郎は家訓家定書を定め、家人にものを大切にする心を説き、さらに問屋としての基盤を確かなものとした。その財力は須坂藩をもしのぐものだったという。

 この博物館は、「田中家の生活文化を見てもらおう」と平成5年4月15日にオープン、年間15万人もの来館があり、今年の5、6月ごろには通算で100万人を超えそうだ。

 当時の面影をそのまま残す屋敷構えは豪華なもので、20の土蔵で囲まれた3千坪の土地の中に、四季折々の美しさを楽しめる日本庭園、生活を伝える客殿、主家などの建物があり、現在は土蔵5棟が展示室として使われ、そのほかは散策して回れる。

 常設展示コーナーは、実際に使用されていた江戸から昭和までの調度品、陶磁器、漆器、衣装、おもちゃなどを展示。収蔵品は全部で約5万点、どれも非常に良い状態で保存されており、家訓の言葉を代々守り続けてきた姿がうかがえる。注文書や領収書、古文書も数多く、中には未解読ものもあり、今後の調査結果が楽しみだ。また、年に5回は特別企画展が開かれている。 企画展示室では、4月12日(月)まで「お雛様展」を開催中。江戸中期から昭和にかけて田中家に伝わるひな人形や、着せ替え遊びの市松人形などを展示している。ひな祭り料理の再現会食会もある。4月15日(木)から6月14日(月)までは「五月人形展」を予定、以後も随時企画展を開催する。

 軽食喫茶室では、江戸時代の古文書から再現した「山鳥の雑煮」や「御膳しるこ」が味わえる。4月末ごろまでは特別メニューの「もものおかしと抹茶」もある。お土産品は、お菓子、陶器、漆器、ハンカチ、スカーフなど、展示品からデザインしたオリジナルなものがあり、通信販売も行っている。

 春は桜、夏は沙羅(夏椿)、ヘブンリーブルー(朝顔)、秋はもみじなど、庭園を彩る草花も見所の一つだ。

〈入館案内〉

  • 開館時間…午前9時〜午後5時(4月〜11月)、午前9時半〜午後4時半(12月〜3月)
  • 入館料…大人600円、中高生300円、小学生150円(特別展は別料金)
  • 休館日…毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、12月27日〜1月4日、12日、17日
  • 問い合わせ…豪商の館 田中本家博物館
     須坂市穀町476
     TEL026・248・8008