世界へ広がる音の輪

丸山祐一郎さんの水カンリンバ

北信州ネット

空き缶と水から生まれる“自然”の音

 ジュースやコーヒーの空き缶4個と、きれいな水で作る楽器『水カンリンバ』。耳を澄ますと小川のせせらぎ、緑豊かな森、美しい自然の情景が浮かぶ不思議な音色を響かせる。子供にも作れる単純な楽器だが、その音色は多くの人を魅了、自然やふるさとへの思いと共鳴して、音の輪を広げている。

考案者は民族楽器奏者

 楽器の考案者は、旅の音楽家・民族楽器奏者として知られる飯山市蓮の丸山祐一郎さん(54)。「命に欠かせない大切な水を使って、森の木々(自然)と話ができる楽器を」と、試行錯誤を重ねて13年前に誕生させた。

 50種類もの民族楽器を車に積み、年間の大半は全国を旅しながら演奏会を開く丸山さん。水の流れをテーマに、自然の素晴らしさを音で描く即興演奏の中で水カンリンバは登場する。その心地よい音は、年代や地域を越えて感動を呼び、各地で作り方も教えてきた。

 「演奏会で訪問した小学校で、全校800人の子供たちが水カンリンバを持って歓迎してくれたこともあります。空き缶を集めて毎日作り続け、7000個も仕上げてプレゼントしている方もいるんです。本当に感激です」(写真:水カンリンバを楽しくリズミカルに奏でる丸山さん)

 人から人へ贈られ、作り方が伝えられて全国各地へ。さらにモスクワ、フランス、イタリアほか海外公演でも反響を呼び、今では世界に「38万個以上は作られたと思います」と、にこやかに話す。

飯山市の丸山祐一郎さん・平和へのメッセージ

 愛知県生まれ。ギタリストとして、フォルクローレグループで13年間活動。サンバギターの修行に渡ったブラジルで、路上で出合ったビリンバウに魅せられ独自の奏法を工夫、民族楽器のソロ演奏を始めて21年になる。

 「音楽で1番大切なのは心。気持ちを伝えることです」と語り、水は清きふるさと〜と歌われる『故郷』の心を「歌の生まれたこの地から平和のメッセージとして世界に発信したい」と願う。

 『ふるさと』が世界の共通語になり、「世界で同時刻に心を込めて歌う『故郷の日』を作りたい」が夢。01年から飯山市に在住。

ビリンバウ
 世界最古の民族楽器。ブラジルでは格闘技カポエイラを盛り上げる伴奏楽器だが、丸山さんは「わび、さびの精神、日本人の心を音に表現したい」と独自の奏法を追求し、ソロ演奏。本場ブラジルでも大絶賛されている。
水カンリンバ
 4個の空き缶をつなぎ合わせた形。真ん中2個の間を水が移動し、外側はプルタブの付いた飲み口、一方はふたに切り込みを入れた鍵盤が5つ。これらをリズミカルに指ではじくと、流れる水音に響いて不思議な音色を奏でる。国内外の演奏会で反響を呼び、年代や地域を越えて世界で手作りされている。